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高杉晋作直筆書画と鑑定された毎日新聞の記事をご紹介いたします!その後、高杉晋作直筆と鑑定された書画は東行記念館(山口県下関市吉田町)にて初公開され、NHKテレビでも放映されました♪

高杉晋作直筆書画と鑑定された毎日新聞の記事をご紹介いたします!その後、高杉晋作直筆と鑑定された書画は東行記念館(山口県下関市吉田町)にて初公開され、NHKテレビでも放映されました♪

 

高杉晋作直筆書画か

古筆学研鑑定

幕末の志士、高杉晋作(1839~67年)がつづったのではないかとされる書画について調べていた東京都の古筆学研究所(小松茂美所長)は30日までに、直筆であるとの鑑定結果をまとめた。

晋作は29年間の生涯に約400編の漢詩を残したが、この書画に書かれているような川柳や俳句は少なく、鑑定に否定的な専門家もいる。

激動の中の休息を象徴するような1枚の書画をめぐり、関係者は「本物なら大変貴重だ」と胸を躍らせている。

山口県萩市吉田町の萩焼卸商、三輪正知さん(29)が所有している書画は縦34㌢、横40㌢の和紙に筆で「東行 當てにした客はまだ来じ 郭公」と川柳がつづられ、芸者風の女性の後ろ姿や杯がユニークに描かれている。「東行」の号は、平安後期の歌人で全国を行脚し歌を詠んだ西行法師とは反対の生き方をするとの決意表明と解されている。

三輪さんによると、大祖父の正治さん=1994年、89歳で死去=が保管していた。正治さんは年数回、自宅の床の間に飾っては家族に「晋作の直筆だから大事にするように」と言い、三輪さんにも「本物だからよく見ておきなさい」と話していた。

入手の時期、経路は不明だという。三輪さんは今年6月、古筆学研究所に鑑定を依頼。小松所長は元東京国立博物館美術課長で古筆学研究の第一人者として知られている。

学習院大講師の神崎充晴・主任研究員らと約3カ月間、晋作の書簡などをもとに筆跡の照合や紙質の調査を続けた。その結果「書風は一致し作為性もなく直筆である」と鑑定した。

鑑定書は「『来ると約束したあの客はまだ来ない』と川柳一句を添え、芸者は少しすねて見える。画は素人の余技の域を出ないが、朴訥とした人間的な味わいがある。花柳界に浮名を流した高杉の、酔余の戯れであったか」と解説。

「東行」と名乗り始めたのが奇兵隊を組織した25歳(1863年)からで、書かれた年代は63~67年としている。

小松所長は「幕末の志士は、酒席で大いに時事を論じ合った。晋作は酌を取る女性に頼まれ、即興で筆を執ったのだろう」と話す。

一方、晋作の書簡類1000点以上を分析している東行記念館(山口県下関市吉田町)の副館長、一坂太郎学芸員は「現時点では真筆とは言いがたい。川柳や俳句のほとんどに『東行』の号はなく、このような書画を書き残したという記録もない」と語り、鑑定結果を否定的にみる。

晋作のひ孫、高杉勝さん(67)=東京都三鷹市=は「小松先生の鑑定とあっては信じないわけにはいかない。ただ一坂学芸員が言うように、これまで見られなかったタイプ。直筆だとすれば大変貴重で、ぜひ見てみたい」と話している。【大久保資宏】毎日新聞掲載(1999年12月31日金曜日)より